食べて 祈って 恋をして - 42点 △

どんなに他人から痛く見えようが、人生楽しんだモン勝ち!

<作品紹介>世界40カ国語で700万部を売り上げたベストセラーの映画化。ニューヨークで活動する女流作家のエリザベス(ジュリア・ロバーツ)は、完璧すぎる都会での生活に疑問を感じ、夫も仕事もすべて捨てて1年をかけた自分探しの旅に出る。イタリア、インド、バリと巡る旅の果てに、リズは一体何を発見するのだろうか?

「勘違いしたアラフォー女が旅に出る痛い映画」との前評判を聞いていたのですが。いやはや、そんな映画ではありませんでした。「自分探しが止まらない(2008年)」の著者・速水健朗さんが、現状の不全感を「本当の自分に目覚めていないからだ」と思い込み、バックパックを背負って旅に出てしまうような人を「自分探し病」と呼んで揶揄していたけど、不満の原因を「不景気のせいだ、会社のせいだ、アイツのせいだ」と責任転嫁しても始まりません。だからこそ自分の内面に答えを求めてしまう。これってすごく普通のコトですよね。

主人公のリズはニューヨークで仕事をし、夫にも恵まれ、新居を購入して、一見して何不自由ない生活を送っていたけど、完璧なまでに調和のとれ過ぎた日常と、先が読めてしまう人生に窒息しそうだった。これは日々の生活に困窮している方からすれば「ふざけるな!」と怒られるような贅沢な悩みですが、そういう人が一定数いるのも事実。そういう人物を描いた映画なのだからしょうがない。

そして「後は子供を産み育てて、家族一緒に仲良く生きていく・・・それって私が望んでる幸せかしら?」と悩み、日々悶々としていたであろうリズに友人(一児の母)が言います。

「子供を産むのは、顔にタトゥーを入れるようなものよ」 と。

これを聞いてからの彼女のハジけっぷりがなかなかスゴイ。離婚を突きつけたと思ったらソッコーで若い男に手を出し、でもまたすぐに「やっぱ男じゃねーわ!」と開き直り、全財産ほっぽり出して海外旅行へGO!!イタリアの美味しい食事でうっぷんを晴らし、インドのアシュラムでニューヨークでのゴタゴタを忘れ、バリ島で金持ちのブラジル人をゲット!各地でいっぱい友達もできて超ハッピーヤッピーうれピーね!!状態で、まさに「終わりよければ全て良し!!」です。

このような調子のイイ展開の連続に、この映画を「勘違いしたアラフォー女が旅に出る痛い話」と評価する人の気持も理解できましたが、立ち止まって悩んでいても何も解決しないわけで、考えるよりも行動が大切なのは基本中の基本。どんなにバカっぽく見えようが自ら行動を起こし、人生を楽しんじゃったリズが正しいんです。

ということで、当初危惧していたような、何もかも手に入れたアラフォー女が自意識を肥大化させて、自家中毒的に空回りするような痛い映画には(私には)みえなかったため結構楽しめました。

ただ、上映時間が140分と長いわりにストーリー運びが駆け足で、脳内保管を迫られる部分が何カ所かあったのが玉にキズ。旅行映画的な感じの観光ショットが多すぎだったせいかもしれません。


「食べて 祈って 恋をして」
公開:2010年9月17日
配給:S.P.E.
監督:ライアン・マーフィー
脚本:ライアン・マーフィー、ジェニファー・ソールト
出演:ジュリア・ロバーツ、ハビエル・バルデム
上映時間:140分