相棒-劇場版- 25点 ✕

無理のある話だけど、二人のキャラで乗り切った!

今作最大の見どころは、犯人が仕掛けるパズル的な謎を相棒コンビが解いていく様子ですよね。杉下右京(水谷豊)が知力を使い、亀山君(寺脇康文)が体力をつかってダイナミックに事件の真相に迫っていく。その様が実に軽快で、なかなか楽しませてくれます。しかし、冷静に考えると「犯人はなぜにあんな無駄な事を山ほどするのだろうか?」という疑問が頭に浮かんでしまう。ふつう、目的を達成するために人は最も合理的な手段を選ぶわけですが、 犯人のやってることはその目的達成にとってぜんぶ無駄で非合目的すぎで「いやいや、もっと他にやり方あったっでしょ?」というツッコミとを入れざるを得ません。 これで犯人がジョーカー的な快楽殺人者という人物設定なら強引にせよ辻褄はあいますが、あんなに真っ当な犯行動機のキャラクターでは整合性がありません。

また、この映画は物語の終盤で社会派映画っぽい問題提起をするんですが、批判するポイントがかなりズレている印象でした。取りあげている問題を指して「無言の悪意」と表現していましたが、ああいう無言の悪意が実質的な害悪を及ぼすことは少ないでしょうよ。むしろ今作のそれは「暴走する善意」と言う方が適当だったと思います。このズレ方を見るに、作り手は本気でその問題に興味があるわけではなくて、なんとなく「深い話」的な雰囲気が欲しくてで持ってきただけのような気がしてしまいました。

という具合で、脚本がヘン&メッセージが的外れというのが今作に対しての2大批判ポイントですが、「相棒」という作品は相棒の二人含め起ちまくったキャラ達の活劇を見ているだけでオッケイっちゃオッケイなので、実はこの映画結構好きだったりします。

「相棒 -劇場版- 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン」
公開:2008年5月1日
配給:東映
監督:和泉聖治
脚本:戸田山雅司
出演:水谷豊、寺脇康文、鈴木砂羽、高樹沙耶、岸部一徳、木村佳乃、西村雅彦、原田龍二、松下由樹、津川雅彦、本仮屋ユイカ、柏原崇、平幹二朗、西田敏行
上映時間:117分
製作費:44.4億円